料理や薬味に欠かせないニンニク。ビタミンB1の吸収率を上げ、疲労回復効果のある「アリシン」を多く含むことから、機能食品としても人気があります。実はニンニクは、家庭菜園でも簡単に作れるって知っていましたか?
病気にもなりにくく、長期保存も可能なニンニクは初心者にもおすすめの野菜なんです。
今回は、ニンニクの栽培方法についてプランターで作る場合、地植えをする場合それぞれご紹介します。栽培の時期やコツ、病気などに注意しながら、美味しいニンニクを作りましょう!
ニンニク栽培の特徴
ニンニクの栽培は、実は思っているよりも簡単。害虫の心配もほとんどないことから初心者でも作りやすい野菜です。
ニンニクは長期保存もできるため、一度に大量に作っておいて少しずつ食べることも可能。また、連作しても連作障害が起きにくいので、続けて作ることも可能なんです。
ニンニク栽培の特徴として、重要なポイントは2点。「土作り」と「追肥のタイミング」です。秋に肥沃な土を作っておくこと、そして越冬前と春先に追肥を行うことがポイントです。
後半で土作りのコツと追肥のタイミングも紹介するので、参考にしてくださいね。
ニンニク栽培の時期
ニンニクは9月の半ばに植え付けて、5月の下旬〜6月上旬に収穫します。寒冷地では、早めに植え付けをし、暖地は遅めに植え付けても問題ありません。遅くても11月までには植え付けましょう。
植え付けた後はボカシ肥をまき、土に栄養分を与えておきます。春以降にニンニクの玉が大きくなるので、2月下旬〜3月末までに追肥をして、花芽をつんだり、除草を終わらせておきましょう。
ニンニク栽培の方法
では、具体的にニンニクはどのように栽培するのでしょうか。地植えする場合と、プランターで育てる場合に分けて紹介します。
準備
まずは、ニンニクの栽培に必要なものを準備しましょう。
ニンニクは種球から作ります。ホームセンターやインターネットなどでも購入できるので、育てたい種類の種球を購入してくださいね。地域によって育ちやすい種類も違うので、寒冷地・暖地に合わせた種類を購入するのも成功させるポイントです。
寒冷地は「ニューホワイト六片」。暖地では「平戸」「紫々丸」「島ニンニク」。無臭ニンニクを育てるなら「エレファントガーリック」などが一般的ですよ。
プランターで育てる場合は、
- プランター
- 鉢底のネット
- 鉢底石
- 有機培養土
- ボカシ肥
などを準備しましょう。
じょうろやはさみ、手袋、スコップなどもあれば作業が簡単になるので便利です。
プランターは深さ20cm以上のものを購入してくださいね。
土つくりから植え付け
直接土へ植え付けをする場合は、土作りからはじめましょう。植え付ける3週間前から準備を開始します。
3週間前:堆肥を入れて耕す
2週間前:石灰を入れて耕す
1週間前:元肥をれて、畝をたてる
上記を目安に作業を行いましょう。ニンニクが育ちやすいpHは5.5〜6.0が目安。調べられる場合は、pHを調べて、酸性に傾きすぎている場合は、石灰を多めに入れて調節しておくといいでしょう。
冬を越して栽培させるため、肥料分を多めに入れておくのもニンニク栽培のポイント。ボカシ肥などバランスのとれた肥料を使うことがおすすめです。
また、畝は株間も条間も15cmが目安です。玉ねぎ用のマルチが同じサイズ。マルチリンクしておくと、雑草を抑制し、管理が簡単になるので、利用するのもいいでしょう。
土壌の準備ができたら、ようやく植え付け。大きな種球ほど、大きくなるので、大きくて形の整ったものを選びましょう。表面の皮を剥がして、一片ずつにわけるだけでOK。薄皮を向いて植え付けをすると、発芽や成長も早くなり、ニンニクも大きく育ちます。植え付けの直前に薄皮を向いて植えるのがおすすめです。
種球が干からびていたり、カビが生えているものを利用すると、病気やウイルスにかかりやすくなってしまいます。できるだけ健康な種球を選ぶことも、成功へのポイントです。
尖った方を上に向け、深さ5cmほどの穴に植え付け。たっぷりと水を与えましょう。
プランターの場合
次にプランターで育てる場合についてです。
まずはプランターに土を準備しましょう。大きな穴がある場合は、プランターの底に鉢底網をしきましょう。そして、プランターの底が見えなくなるまで鉢底石をしきつめます。プランターの穴が細かい場合は、直接鉢底石をしきつめてOKです。
そのあと、市販の培養土と肥料をまぜたものを入れていきます。最初は6分目程度に入れておき、種球を入れてから土をたしましょう。
植え付けの方法は、地植えする場合と同様に、15cmほどの感覚をあけながら植えていきます。植え終わった後は、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをして、半日陰の場所に置いておきましょう。
プランターは乾燥しやすいので、表面が乾いたら水やりすることがおすすめ。植え付けてから1ヶ月後と、2〜3月にボカシ肥をあげることも忘れないでくださいね。
収穫
植え付けが終わり、ボカシ肥をあげたら、残す作業は花芽つみと収穫です。
つぼみが出てきたら、茎からはさみで切り取ります。ニンニクの芽としても販売されているもので、炒めものにして食べられるので、ぜひ味わってみてくださいね。
地上に出ている葉っぱが枯れてきた5月下旬〜6月下旬が収穫の時期です。根本をもって、引き抜くいた後は、外側の皮を剥がしましょう。真っ白のニンニクが顔を出したときには感動しますよ。
茎を三つ編みにして、風通しの良い場所で吊るして乾燥させてくださいね。1ヶ月と少したって、30%程度収穫したときよりも重さが減ったら、ネットに入れて日陰で貯蔵することも可能です。乾燥しきっていない場合はカビが生えてしまうので、40日程度を目安にしてくださいね。
ニンニク栽培のコツ
ニンニク栽培は初心者でも簡単に作成できるのですが、ポイントをおさえることでより成功する確率が高まります。
- 適期に植え付け・追肥・収穫をする
- 地域にあった品種を選ぶ
- 大きくて粒ぞろいのいい種球を選ぶ
- 株間は15cm、条間は20cm程度あけて植え付けする
- 酸性の土壌で栽培するときには石灰を入れてpHを調節する
- 植えるときには尖ったほうを上にして植える
- わき芽がでてきたらかき取る
- 土の上が乾燥したら水やりをする
以上の8つのポイントを守ることを意識してくださいね。
ニンニク栽培で注意したい病気・害虫
ニンニクは基本的に害虫がつきにくいため、病気や害虫の心配はそれほどしなくても大丈夫です。
病気になる時には、土が酸性になりすぎている場合や、窒素が多くなっている場合、水やりをしすぎて多湿になりすぎていることがほとんど。成長しやすい、バランスのとれた土壌を作ることが病気を防ぎますよ。
また、害虫はネギアブラムシやネギアザミウマなど、ネギ科の野菜につく害虫に注意しましょう。2mm程度の黒色の虫が葉の裏側に集まるので、害虫を見つけたら薬剤などで早めに対処することが重要です。
コツをおさえてニンニクを栽培しよう
ニンニクはポイントをおさえると、初心者でも簡単に栽培できます。軒下で乾燥させて長期保存したり、スライスして冷凍保存したり、漬け込みをしておくと長く味わえるニンニク。
また、ニンニクの芽や葉っぱも食べることができ、芽・花・種と一度で3種類楽しむことができます。
どんな料理にも使えるので、ぜひ自家製の味わいが深く、香り高いニンニクを作って、料理をワンランクアップさせるのはいかがでしょうか。
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