農業での平均収入は?面積当たりの収入と収入を増やす3つの方法

農業ノウハウ

農業を始めるときに、やはり気になるのは収入面ではないでしょうか。一般的に「農業は稼げない」と言われていますが、平均収入との差は知っていますか?

今回は、農業の収入と、農家の本音について紹介します。農業で収入を増やす3つの方法も必見ですよ。

農業をしている人の平均の収入

まずは農業をしている人の平均の収入について確認してみましょう。農業をしている人の平均年収は456万円です(農業経営統計調査調べ・平成26年)。

一般的な平均収入は422万円(国税庁の「民間給与実態統計調査」・平成28年)なので、農業は決して収入が低いわけではなく、むしろ平均よりも高いことが分かりますね。

農業は、専業農家として独立して農業を行っている場合や、農業法人での従業員として働く場合など、様々な形態があります。では、働き方によって年収はどのように変わるのでしょうか。

農業法人の場合

まずは農業法人に就職した場合の年収をみてみましょう。食物の栽培や畜産系・農業関係のビジネスにおける全職種を対象とした調査によると、初任給での平均年収は2017年には232万円〜303万円となっています(第一次産業ネット調べ)。

2013年と比べると30万円程度高くなっており、過去5年間で増加を続けてはいるのですが、一般的な平均収入422万円と比べると半額程度ですよね。

農業法人で仕事をした場合は、個人のスキルによって報酬が変わるので、経験者になるほど収入は高くなります。また、ボーナスや社会保障、通勤手当や住宅手当なども支給している会社も多いのも特徴です。

独立就農・個人事業主の場合

次に独立就農して、個人事業主として農業をしている人の年収を確認してみましょう。

独立就農している人は、平成28年には年収788万円、うち農業での所得は649万円となっています(農業経営統計調査より)。

1000万円を超えている農家も珍しくなく、独立して農業をした場合は、やり方次第でかなりの収入が得られることが分かりますね。

農業の面積あたりの収入の目安

農業は、作物を育てて販売することで収入を得ます。そのため、一人あたり作物を育てる面積が増えれば増えるほど、収入が上がるのは想像できるでしょう。

そのため、「収入を増やすためには、農地を広げたらいいの?」と思われがちです。もちろん農地の拡大は収入アップに繋がりますが、重要なのは「面積当たりの収入が高い作物を育てる」こと。

農林水産省大臣官房統計部が、野菜作経営の品目別経営収支のデータを公開しているので参考になりますよ。

例えば、10a当たりの農業所得は、キャベツだと208,000円。一方、ししとうは920,000円です。そのため、ししとうを作って販売した方が、収入になることが分かります。

ここで、「ししとうを作った方がキャベツより儲かる!」と安易に決めると危険。実は、ししとうの栽培は手間がかかるため、2000時間程度の労働が必要です。一方キャベツはたったの80時間。そのため、時給に計算するとキャベツは時給2,580円、ししとうはたったの時給462円になってしまうんです。

手間をかけずに収入を得たい場合はキャベツの方がコストパフォーマンスがいいということが分かりますね。

このように、面積あたりの収入と労働時間の目安を参考に、どの作物を作るのかを考えることが大切です。

農業の収入に対する本音

これまで農業の収入について確認してきましたが、実際に働いている人は、収入に対してどのように考えているのでしょうか。

農業法人で働く田中さん(仮名)は、「収入が少なくても、農業法人で働くことを選んだ」のだそう。その理由は、「安心感」でした。

田中さん「私は農業法人で働いています。独立農家と比べると収入は低いですが、土地を持たず、農業の知見がない私が一から農業を始めるのは難しいと思い、農業法人で働くことにしました。好きなことを仕事にでき、仲間たちと毎日充実した生活を送れているので満足しています。」

一方、独立して農業を行っている山本さん(仮名)は、「独立したからこそ、農業をビジネスにできた」と語ります。

山本さん「私が農業を始めたのは、まだまだビジネスチャンスがある領域だと感じたからです。

元々IT業界で働いていましたが、ITの世界は新しい技術がどんどん出てきて、常に最先端の技術を取得しないと、戦うステージに立つことができません。ですが、農業は初心者でも戦う領域を選び、適切なマーケティング手法が取れれば、成功することは難しくないと感じています。

今では年収は2000万円を超えました。独立して行っているからこその、独自の取り組みをこれからも続けていきたいです。」

農業法人、独立就農している人どちらも収入には満足していることが分かりました。収入に満足できない人や満足のいく結果を出せない人は、現場を去っていく厳しい世界だからこその本音ですね。

農業で収入を増やす3つの方法

では、最後に農業での収入を増やす3つの方法を紹介します。今農業を行っている人は、ぜひ参考に取り入れてみてください。これから農業に参画しようと考えている方は、ビジネスモデルを考えるきっかけにしてみてくださいね。

6次産業化させてコスト削減

農業は一次産業。作物を作ることが仕事だと考えている人も多いでしょう。もちろん、作物を作ることが始まりですが、二次産業である加工、三次産業である流通まで行うことがポイントです。流通まで一律して行うことによって、業者への手数料を払う必要がありません。その分コスト削減につながります。

このように一次産業から三次産業まで一括して行うことを、六次産業と言います。

六次産業は、コスト削減だけでなく、消費者の反応も見れることがメリット。自分の作った作物を、喜んでくれているお客様を目にすることで、やりがいや幸せを感じられますよ。

価格決定権を持つ

作物を作った販売先はJAという方も多いのではないでしょうか。JAに卸すことで、買い手は確保されていますが、JAでの言い値によって価格は変動します。

本来であれば200円で販売できるものを、10円で販売していると、収益は伸びませんよね。収入を増やすためには、自分自身で価格をつけることができる「価格決定権」が必要です。

自分自身で値段を決めるのは、マーケティング感覚も必要となりますが、自分自身で価値をつけることができます。「傷があるからB級品なのではなく、有機栽培だから傷があっても当然。味はA級品と変わりない」と販売できるようになることが大切です。

機械化や効率化を進めてコスト意識を持つ

「農業は、自然相手だからコントロールできない」「愚直に仕事をする」という考え方では、農業で高収入を得るのは難しいでしょう。業として行っている以上、農業はビジネスです。

そのため、無駄な作業はせず効率化できる部分は、作業を短縮させる。機械化できる部分は機械化した場合のコストパフォーマンスを考えるなど、コスト意識を持つことが大切です。

単に「ビニールハウスを作ってみようかな」ではなく、ビニールハウスを作った場合の作業時間はどれくらい短縮できるのか、収穫量はどれくらい増え、収入はどの程度増えるのかを計算する必要があるのです。

普段なんとなく仕事をするのではなく、どの作業にどのくらいの時間がかかっているのか記録することから始めましょう。

収入面から農業を考える

農業は、やり方次第では高収入を見込める仕事です。むしろライバルが少ないからこそ、ブルーオーシャンを見つけやすいでしょう。コスト意識を持ち、新しいアイデアを組み合わせることで、農業も大きなビジネスになりえます。

ぜひこれからは、農業も数字、そして収入面を意識して方法を考えてみてはいかがでしょうか。

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