苦土石灰って何?効果・メリット・デメリット・使い方など基本情報まとめ

農業資材

phを調節したり、栄養補給する効果があることでも知られている「苦土石灰(くどせっかい)」。グラウンドなど、土の上に撒かれている白い粉、というイメージがある人も多いのではないでしょうか。

苦土石灰は、土壌を作るにあたって肥料と同じくらい大切で、影響力のある物質です。今回は、苦土石灰についての基本情報や使い方を知り、効果的に使えるようになりましょう!

苦土石灰(くどせっかい)の基本情報

苦土石灰は、炭酸カルシウムである石灰と、酸化カルシウムであるマグネシウムを混ぜたものをさします。

「苦土(くど)」とは聞き慣れない名前ですが、マグネシウムのこと。マグネシウムを舐めると苦いことから「苦土」という名前がつけられたと言われています。

苦土石灰は地域によって呼び方が異なり、
・苦土カルシウム
・苦灰土
・苦土炭酸カルシウム
・苦土炭酸石灰
など色々な呼び方で呼ばれています。あなたの住んでいる地域では何と呼ばれているのか確認してみてくださいね。

苦土石灰の成分

苦土石灰の原料は、「ドロマイト」と言われる鉱物です。苦土石灰を作るときには、ドロマイトを熱して、細かく砕いて作られています。

化学式で表すと(Ca・Mg(CO3)2)となり、カルシウムとマグネシウムが主な成分です。そのため、土壌にまくことでカルシウムやマグネシウムを補給できるんですね。

消石灰・有機石灰との違い

「石灰と聞くと、消石灰や有機石灰をイメージするけれど、苦土石灰と何が違うの?」と疑問な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

学校のグラウンドに白線を引くために使われていた白い粉が消石灰。
消石灰は、石灰に水を加えて作られるもので、苦土石灰と見た目は似ていますが、phが12という強いアルカリ性なのが特徴です。カルシウムを含むという点では、主な成分は炭酸カルシウムで、マグネシウムが含まれないのも苦土石灰と異なります。

また、有機石灰は名前の通り有機物から作られた石灰のことです。牡蠣などの貝殻や卵の殻を砕いて作られます。有機石灰も消石灰と同様に、主成分は炭酸カルシウムです。phの中和のためにも使われる苦土石灰とは異なり、有機石灰は栄養分の補給や、微生物の活性化のために使われることがほとんど。値段も苦土石灰よりも高価です。

苦土石灰の効果・メリット

苦土石灰は、炭酸カルシウムだけなく、マグネシウムが含まれていることがわかりました。では、苦土石灰を使うことによって、植物や土壌にどのようなメリットや効果があるのでしょうか。

PHを中和させる

苦土石灰を利用するの一番のメリットは、phを中和させることです。日本は降水量が多いため、土壌も酸性に偏りやすい性質があります。酸性に傾きすぎた土壌では、農作物を育てにくいため、アルカリ性側に傾かせ、中和する必要がありますよね。

そのため、アルカリ成分が含まれる苦土石灰を利用してphを中和させます。消石灰はアルカリ性が強すぎるので、素人には扱いが難しいため、苦土石灰を使って徐々に変化させるのがおすすめ。

また「少しだけ酸性に傾いているから、苦土石灰よりも穏やかに中和させたい」という場合には、有機石灰もおすすめですよ。

カルシウム・マグネシウムの補給

苦土石灰を利用する二つ目のメリットは、カルシウムとマグネシウムを土壌に補給できることです。

植物の根っこの成長に欠かせないカルシウムや、植物が葉緑素を作るために必要なマグネシウムを簡単に補給できるのは嬉しいですね。

葉っぱが黄色っぽくなっている植物は、マグネシウムが足らず、葉緑素が作られにくくなっているのが原因のことも。

苦土石灰の代用品として「草木灰」を使う場合もありますが、草木灰はカリウムが主成分のため、マグネシウムやカルシウムを吸収できなくってしまいます。

マグネシウムやカルシウムなどの栄養素が足りなくなっている場合は、苦土石灰で栄養補給しながら土壌のバランスを保つのがおすすめです。

苦土石灰のデメリット・注意点

phを中和させ、栄養まで与えられる苦土石灰は一見メリットばかりに思えます。ですが、土壌に大きな変化を与えるパワーを持った苦土石灰は、使い方を間違えると、良くない影響を与えてしまうことも。

苦土石灰のデメリットや、使用するときの注意点を守って、効果的に利用しましょう。

phがアルカリ性になりすぎる

酸性に傾いている土壌だからといって、苦土石灰を撒きすぎるのは要注意。アルカリ性に傾きすぎると、かえって作物に良くない影響を与える危険性があります。

そのため目分量で苦土石灰を散布するのではなく、phを測定しながら様子を見て量を調節していくのがおすすめですよ。

ヨウ素欠乏症になる

土壌がアルカリ性に傾きすぎると、土壌にある鉄やマンガンなどが不足して、ヨウ素欠乏症になる危険性があります。

栄養のある作物を作るためにも、土壌の栄養素のバランスが悪くなるのは、防ぎたいですね。

化学肥料と同時期に使えない

苦土石灰をまくときには、化学反応してしまうため、化学肥料と一緒に使うのはNG。アンモニアガスが発生したり、肥料の効果がなくなったりしてしまいます。

苦土石灰と化学肥料の両方を使いたいときには、片方を使ってから1週間以上あけてから、もう片方を使うようにしてくださいね。

種や苗をすぐ植えられない

苦土石灰を土壌に撒くと、酸性に傾いた土壌をアルカリ性に変わるほどの大きな変化があります。種類によっては、発芽に問題がないものもありますが、土壌の変化に影響されることも多いため、土壌の変化が落ち着くまでは、種をまいたり、苗を植え付けたりするのは避けたほうがおすすめです。

苦土石灰を散布してから、できれば1週間程度開けるのが目安です。

酸性を好む作物には使わない

土壌のphを調べたときに、酸性に傾いていたら「中和しないと」と思ってしまいますよね。ですが、作物によっては、酸性の土壌の方が育ちやすいものも。スイカ・ブルーベリー・栗などの作物を育てている人は、苦土石灰を撒きすぎると、逆効果になることも。

あなたの育てたい作物に適したph濃度を知ることが大切ですよ。

苦土石灰の撒き方・使用量

苦土石灰は1平方メートルあたり100gが散布の目安です。片手で握ったくらいの量が、100g程度になりますよ。火山灰土の場合は、半分の量を散布するのがおすすめです。

1平方メートルあたり100gで、phはおよそ0.5アルカリ性に傾きます。どれくらいアルカリ性に傾けたいのかを考えながら、量を調節してくださいね。

また、消石灰を使う場合はアルカリ成分を多く含んでいるため、80g程が目安です。

苦土石灰を土壌に撒くときには、風で飛ばされてしまうと正確な量が把握できなくなってしまいます。粉状の苦土石灰ではなく、粒状のものを選ぶと、散布しやすいですよ。

手で土の上にパラパラと撒くようにして散布するとOKです。

苦土石灰の購入できる場所・価格

苦土石灰は、ホームセンターや園芸用品を扱うお店、インターネットから購入できます。

20kgで7〜800円程度が目安です。消石灰も同じ程度の値段ですが、有機石灰は同じ量でも1000円以上になることが多く、高価なので注意しましょう。

苦土石灰を効果的に利用しよう

土壌を中和させながら、栄養分を与えることもできる苦土石灰。類似したものとして消石灰・有機石灰があるので、シーンに合わせて使い分けましょう。

土壌の栄養補給をしながら、アルカリ性に傾けて中和したい場合は「苦土石灰」。素人には扱いが難しいですが、とにかくアルカリ性に中和したい場合は「消石灰」。カルシウムなどの栄養を与えて、微生物の活性化をさせたい場合は「有機石灰」がおすすめ。

あなたの作りたい作物にあった土壌を作るために、苦土石灰を上手に利用してみてはいかがでしょうか。

コメント